ビッグデータを使って個客識別サービス「デクワス」と「トレタ」

昨日ワールドビジネスサテライトで取り上げられたビッグデータサービス2選。
消費者ひとりひとりの嗜好分析から最適解の販促やサービスを提案できる。

「デクワス」を使って、次回購入につなげる売れるカタログ作り

ひとつめに紹介されたのは、先日マーケジンでも紹介されていたこちら。
ニューヨーカー、サイジニア、富士ゼロックスが嗜好分析に基づくパーソナライズカタログ提供サービスを開始 富士ゼロックス
潜在ニーズを掘り起こしてレコメンデーション | ディスカバリーエンジン/レコメンドエンジン【デクワス】 | サイジニア

顧客の購買履歴や同じ顧客層の販売実績から分析して、商品お届け時の満足度期待度が高い段階で「次に買う確立の高い商品」を提案する。みそはおすすめカタログが納品明細書に記載されているところ。すぐに捨てられるケースが少ない。

それぞれ顧客に合わせたオリジナルのミニカタログは最短二時間で出来上がる。
人的コストをかけず、ひとりひとりにあったサービスを提供できる、サイジニア社のレコメンドエンジン「デクワス」と富士ゼロックスのソフトウェア「FreeFlow Variable Information Suite」による、オンデマンド印刷。

野菜通販などでも使えそうですね。

隠れ上顧客を見える化する、店舗予約管理システム「トレタ」

店舗予約や混在状況などiBeaconが世界を変えると思っていましたが、こちらもなかなかのサービス。
来店履歴を管理することで、顧客の嗜好を残し、きめ細かいサービスができる。
あまり目立たなかったが、年間を通して数多く利用してくれている常連を顕在化する。
お店の予約を、まるごとタブレット1台で。 | トレタ

よくこういうビッグデータ関連で思うのは極論ですが、技術者と単純作業(パッキングもロボ作業でできそう)がまずあって、あいだの商品企画や販促はデータ解析で担う企業が増えてくるのではと。

もちろんそこに属するホワイトカラーがゼロになるかといわれればNOだけど、データ解析ソフトとその分野に明るいCMOと数人のチームで、100人以上のガリバー販促部隊に勝てそうな気がする。

以前書いたホワイトカラーの憂鬱は晴れる気配はない。

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企業の正社員化にみる、あるホワイトカラーの憂鬱 – ねこと日曜日
▼耳寄り情報:データマイニング関連本、8月末発売待ち遠しい!!

手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング

手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング

消費行動のストーリーを明確にして、サイドストーリーからの集客戦略「百貨店集客の悩み解決、若い顧客層の取込み」

先日のガイアの夜明け「逆転の発想で客を呼ぶ」の後編は百貨店の集客として注目されているファッションブランド
Tシャツブランドのオジコが紹介されていた。
集客に悩む百貨店関係者は必見の回。
昨日書いた町の電気屋さんは一番客に近い人がアプローチすることでしたが、こちらは一番客に近い人にアプローチすることが集客の肝。
大手家電量販店と同じ価格!?町の電気屋さん驚きの集客方法 – つくる広告

Tシャツ専門ブランドオジコはチャンネルアッシュという企業が開発していて、百貨店の祭事中心に年間200ヵ所で洋服を販売している。出す前からいつやるんですか?と問い合わせがくるくらいの人気で、伸び悩んでいる百貨店集客に一役買っている。(常設店都内三カ所のみ)
期間限定ショップでは親と子が一緒に着られる、つながるデザインTシャツが人気。
親と子が一緒に着用することを想定しており、客単価も8,700円と好調そう。
消費者の声として紹介されていたのは、「一緒に撮って記念に撮っている」「そのときから見て買えないから買っちゃおうかな」とブランド社長の想い「その瞬間行かないと買えない」という考えと見事に一致している。
番組では若い顧客層の集客に悩む地方の老舗百貨店の集客改善にチャンネルアッシュの集客アイデアが紹介されていた。
昔愛された路面電車バタデンをモチーフにしたお孫さんがいる祖父母世代も抵抗感のないデザイン・色で「おじいちゃん・おばあちゃん」へのアプローチ。
来て欲しいターゲット層に一番近い人(祖父母)にお孫さんや三世代で楽しめるストーリーを提案し、そこから若い世代の集客につなげる。
顧客の喜ぶ姿がみえるブランド、オジコらしい集客方法だと感じました。
百貨店関係者の方はビジネスオンデマンドで是非観た方がいい回でした。

「服の自販機」の課題とPR効果

先週WBSセレクトショップ大手のアーバンリサーチが、服の自販機のリリースを取り上げていた。服の自販機とは、簡単にいうと姿見鏡ほどの大型ディスプレイに映し出された自分(映像)に好みの服を着せ替えできるもの。

このバーチャル試着何も最先端の技術ではなく開発元は違うかもしれないが、たしか3年前程前ビッグサイトの展示会で発表されていた。(そのときはたしか成人式やウェディングドレスのバーチャル試着だった気がする。あとヘアサロンの鏡に天気予報や映像を写すものもあった)まだIoTなんて言葉も知らなかった頃だから、可能性に目を輝かせていたが、当時発表された技術が日の目を見ることに喜びつつ、マイナス点が改良されていないことに少々がっかり。

  1. ディスプレイが分厚すぎる(ぬりかべみたい)
  2. バーチャル試着なのに2D感がする

ブランド認知としての見せ物としてはいいが、消費者の購買意欲にどう反映するだろうか。商品の情報や取捨選択が多いケースで実際購買にマイナスになったという研究結果も出ていることから、時短で試着できることは購買意欲のマイナスに働く可能性もある

(参考:シーナ・アイエンガー著『選択の科学』)

従来の店舗で数着試着させてもらい、結局買わなかったときのアノ気まずさがバーチャル試着には感じられない分、想定以上の購買機会を逃すリスクがある。特にセレクトショップであれば、購買機会を逃してネットで別のセレクトショップで買われたとなると本末転倒である。

「はじめて〇〇」のインパクト、そのPR効果

どんな製品でも「新登場」は注目を浴びる。

「バーチャル試着」もその点で、メディアやネットで取り上げられブランド認知のPR効果はありそう。うまくやれば一台2,000万円(参考:WBS)十分もとは取れそう。実際わたしもこの記事を書くにあたり、10年振りぐらい?にアーバンリサーチのWebサイトを訪れた。「業界初」というインパクトをどこまで盛り上げていけるか注目だ。

「服の自販機」の販促、わたしならこうする

おそらく業界初という見出し効果はそう長く続かないだろうし、ぶっちゃけもう一度バーチャル試着したいというひとは少ないと思う。リピーターを増やすよりも新規客を巻き込んで行く戦略が重要。提案として「試着」を焦点にすればコンプレックスの強い人である可能性が多いので、バーチャル試着をすることで、自分の望みが叶えられるようにする。

具体的に「バーチャル試着」×「ファッションショー」で、顧客がモデルに着せ替えできる。顧客が理想(モデル)をバーチャル着せ替えして、それをモデルが目の前のランウェイを歩くような参加型イベントを催したらどうだろう。

規模が大きくなってきたらバーチャル試着機の端末データを活用し、アーバンリサーチ会員が試した膨大なコーディネートデータから投票を行い、受賞コーディネートパターンはイベントでモデルがランウェイを歩き、商品をコーディネーターはもらえる。即売会やシークレットセールを併設して販売促進につなげる。

 

いろいろ想像してしまった。ただファッション小売業界は中期でみて明るくないのがわたしの見立て。プラットフォームを媒介にして個とメーカーで商品は生まれ、CtoC取引になるというのがここ数年の未来予想図。それはまた今度。